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死刑囚の子どもに何の罪があるの?

by 安西敦

オウム関連事件の7人の死刑囚の執行から,2週間と2日が過ぎた。

7人もの命が一度に奪われたのだ。死刑に賛成だろうと反対だろうと,その死を厳粛に受け止め,死刑囚の死の意味を考え,被害者遺族に思いをはせ,そうして日々はすぎていくべきだろうと思っていた。そうならないだろうとも思ってはいたけれど。

執行の日,麻原彰晃死刑囚の三女である松本麗華氏のTwitterアカウントのリプ欄は,「執行おめでとう!」「祝!死刑執行!」みたいなので埋まった。そして「松本智津夫」というアカウントが現れ,麗華氏にリプライを送り,その中で,「麗華,苦しいよ」みたいなことを書いて送っていた。さすがにそのアカウントはすぐに凍結されたが。こうして,大切な親を失った家族の気持ちをえぐって楽しむ人間が…いるんだろうとは思っていたけど,実際に見て,ショックを受けた。気持ちが悪かった。怒りでいっぱいになった。

次女の松本宇未氏は,父を失った悲しみを発信し続けている。それに対して,「被害者の気持ちを考えないのか」と,被害者遺族の名の下に,批判や誹謗中傷が集まっている。おそらく,そのほとんどの人たちは,被害者支援のことなど考えたこともなければ,被害者遺族のために1分たりとも時間を使ったことはないのだろう。

「死刑囚の家族」は究極のマイノリティの一つだ。何も悪いことをしていなくても,社会はその人たちを社会から抹殺しようとする。「死刑囚と家族は別の人格」「死刑囚の犯罪の責任はその子どもにはない」…。日本ではこんなことすら共通の価値にすることができない。彼女たちのように声を上げようとすれば,被害者でもない者が被害者の名前を使ってバッシングを始める。こんなことを被害者遺族が望んでいるわけではないだろう。

こんなことがいつまでも許されていてはならない。彼女たちには何の罪もない。その彼女たちが,子どもとして父を大切に思う気持ちまで奪うことなどあってはならない。そして,彼女たちの生きる場所を奪うことなどあってはならない。

何か自分にできることはないのだろうか。考えている。せめて今は,あなたたちは一人じゃない,とメッセージを発したい。そう思っている人だってきっと少なくないはずだから,まだの人たちもどうか声を上げてほしい。そしてそれが彼女たちに届きますように。


安西敦
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